電子望遠鏡を作る

2018年3月11日 (日)

電子望遠鏡ソフトリリース

マニュアルが完成したのでリリースします。まだ完成度は中途半端なのですが、今後反響などを考慮して、さらに改善を続けていくか、どうするか、考えていきたいと思います。

対応ハードウェア SS-one CMOS Capture正式版(5インチLCD)
動作確認 CMOSカメラ
ASI294MC
ASI1600MC
ASI071MCPro
ASI224MC
ASI120MC

その他必要なもの 光害カットフィルターまたはネビュラーフィルター
エレコム USBゲームパッド

ソフトウェアダウンロード
SDに書き込みして差し替えてください。

マニュアル
「eScope.pdf」をダウンロード

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2018年3月 1日 (木)

電子望遠鏡ソフト無料公開予告

商品化を目指して開発していた電子望遠鏡ですが、いろいろ考慮した結果。SS-one CMOS Capture正式版(5インチLCD)のサービスプログラムとして無料配布とすることに決めました。

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今、マニュアルを書いています。でき次第アップします。

CMOS Capture正式版のSDカードと差し替えることによって使用できます。縦型の画面使用になります。

電子望遠鏡ですが、結局、赤い星雲の写りは悪く、実用になるのは肉眼で見える散光星雲、散開星団、球状星団、明るい系外銀河に限られます。小さな対象が多いので、シュミカセとかの方が相性がいいと思います。
星雲に関してはα7sのライブビューの方がいいと思います。ただ、既にCMOSカメラをもっているならそれの有効利用としていいと思います。

ちょっと単独の商品としてはインパクトとして弱いので、SS-one CMOSのサービスプログラムとすることに決めました。

使用できるカメラは、ZWOのカラーCMOSカメラで、動作確認したのは、
ASI294MC
ASI1600MC
ASI071MCPro
ASI224MC
ASI120MC

ですが、実用になるのはASI294MCだけだと思います。横解像度4,000以上のカメラは8×8ビニングしています。それ以外は2×2ビニングです。

光害カットフィルターまたはネビュラーフィルターを使うことを推奨します。

なお、SS-one CMOS Captureは現在、品切れ中ですが、Proの次期ロッド販売後、生産予定です。

アップロードするまでもうしばらくお待ちください。

↓初心者用ブログにアップした動画ですが、電子望遠鏡の部分だけカットして再アップしました。

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2018年2月19日 (月)

「電子望遠鏡を作る」ネビュラーフィルター導入

前回、適正露出が1/2秒で、1秒で飽和するとのことだったので、こんな新兵器を用意しました。

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AstronomikのUHC-Eフィルター。いわゆるネビュラーフィルターで、普通の光害カットフィルターより、さらにバンド幅が狭いです。

効果は絶大でした。露出は2秒まで伸ばしても飽和しませんでした。ただ露出2秒まで伸ばすと、星が飽和してすべて真っ白になってしまい。突然、写真から絵を見ているような感覚になりました。そこで露出1秒にしたらちょうど良かったです。背景が黒くしまり、前回より奇麗に見えました。

天体写真において、星を飽和させないほどの適正露出の重要さをこんなところで感じるとは思いませんでした。やっぱ天体写真って、究極は星なんですね。

結果です。
今回、画像の保存機能を付けましたので、元画像をご覧頂けます。ただ、こうして画像でみるとなんかしょぼいのですが、ライブの画面で見るともっと奇麗にみえます。これこそまさに「ライブ効果」で、電子望遠鏡の特徴そのものと思いました。

最初はM42

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露出1秒で、ライブレベル調整、ライブトーンカーブをかけています。画像はライブ加算平均コンポすればノイズ感はなくなると思います。
星雲でまともの見えたのはこのM42だけですね。

次は近くにあるM78

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やや中央左側に小さなが2つ並んでいるところにあるのですが、分かりますか?分からないですね。

今回一番期待したのはバラ星雲です。これが少しでも見えればと思ったのですが、

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まったく分かりません。画像で見ると
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かすかに見えます。ライブコンポしてノイズを減らし、ライブマスク処理でもかければ、うっすらと分かるくらいになるかも知れませんが。。。 

あとモンキー星雲もまったわからず。

星雲に関しては明るい対象以外はまったく見えません。赤い星雲に関してはまったくダメ。カラーCMOSはほんと赤が写らない。赤い星雲みたいなら、現状、改造α7sのライブビューが一番いいと思います。

いっぽう、散開星団や明るい系外銀河は良かったです。

これはM35
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M81とM82のペア。
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電子望遠鏡の対象としては星雲より、散開星団、系外銀河などの方が適していると思います。観望会とかなら、25cmのシュミカセとかよさそうです。

買ってみようかな。さすがに25cmは無理だけど、15cmのこれなら何とか買えるかも。

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2018年2月 9日 (金)

ASI294MCで電子望遠鏡テスト

昨晩は羽生の「スカイスポーツ公園」でASI294MCでの電子望遠鏡のテストをしてきました。

結論から言うと、「これは行ける」という手ごたえを感じました。

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鏡筒はSharpStar60EDにBORGの0.85レデューサーです。カメラの設定ですが、ゲイン20/25で8×8ビニングで感度を64倍にブースト。

適正露出は1/2秒で、たった1秒で飽和します。

ゲインが非常に高い値にも関わらず、背景が滑らかで、また星も色が良くわかり、見ていて奇麗です。これは今までのCMOSカメラにはなかったことで、なんか、今までのCMOSに比べて世代が違うなと感じました。

まずは星雲ということで定番のM42。写真だとしょぼいですが、実際見るともっと奇麗です。

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今回、星雲の中で「星雲」と分かるのは、このM42だけでした。

馬頭星雲付近は、「燃える木」がうっすらと何となくあるのが分かる程度。一般の人だと何も分からないでしょう。

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これはバラ星雲。星雲はまったく分からない。この294MC、唯一の欠点と言えば、赤の写りがいまいち。

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星雲に関しては、露出を伸ばすか、ゲインを上げるかしないとダメですが、とにかく背景レベルを抑えないとそれも出来ない。観望会とか、そうそう暗い場所ではできないので、背景レベルをいかに抑えるかが重要。

今度、光害カットフィルターか、ネビュラーフィルターを付けてやってみます。
いずれにせよ、星雲に関しては、うっすら、分かる程度だと思います。

今回一番楽しめたのは、散開星団。これはいい。
M38と上の方にM36。これも写真だとしょぼいのですが、実際見るとけっこう奇麗に見えます。1802095

M37

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M35

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とにかく星が奇麗に見えるので、色もはっきりわかる、夏の天の川なんか奇麗だろうなと推測します。

最後に系外銀河を試してみました。M81とM82。

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露出たった1/2秒でこんなにはっきり写っています。今回焦点距離が短すぎました。もっと長いともっと楽しめたと思います。

今度は、フィルターを付けて、FSQ85EDで見てみます。





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2018年1月18日 (木)

ケースのプロトタイプ

ケースのプロトタイプできました。

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電子望遠鏡、完全なリアルタイム性(数秒程度)は無理そうです。数分程度の露出ならなんとかなりそうです。それさえも、CMOSセンサーに依存し、今はASI294MCに望みをかけています。

電子望遠鏡というよりも、カメラ一体型CMOS Cap.に近くなりそうです。今、一番の問題は画面がフルカラーにならないこと。

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モバイルプリンタも買いました。ただ、ラズパイからダイレクトにプリントできる機種は限られていて、古い機種ばかりです。安く買えるのはいいのですが。こいつは2,000円でした。
また、プリントアウトのもう一つの方法として、WiFi搭載USBメモリ経由で、スマフォからプリントアウトする方法を考えてします。これなら、最新のプリンタも大丈夫です。

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2018年1月12日 (金)

いろいろうまくいかない。。。

晴天が続いています。しかし、なかなか結果が出ない。。。

火曜、水曜の夜は、連ちゃんで羽生に「電子望遠鏡」のテスト。

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新しい液晶ですが、ご覧のように色数が少ない。16ビットカラーが出ない。

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いろいろ設定をいじるが、16ビットカラーにならない。仕方がないので、CMOS Cap.でテストすることに。

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ASI224MCと、ASI1600MCでテストするがどうもおもわしくない。Samさんが以前、「一発目に出てくる画像の迫力に一番影響が出ます」と言っていましたが、まさにその通りで、

一発目、つまり1枚あたりの写りが良くない限り、いくらスタックしても、あるいはビニングしても、飛躍的に向上するということはないみたいです。0は何倍しても0ということか。

ということは、ある程度の露出時間(数秒~数十秒)が必要で、そうなると、「リアルタイム性」が問題になり、はたして電子望遠鏡と言えるかどうか。

ただ、多少なりとも光明があって、

1 ASI224MCの写りは、ASI1600MCに比べると圧倒的に良く、特に色の出が良い。ASI224MCクラスのCMOSセンサーならなんとかなるかも。ASI224MCクラスとなると、ASI385MCやASI294MCなどです。

2 ソニーのα7sのライブビューはそれなりにいけてるの、なんとかなるんではないかと期待。

と、まったくあきらめていないのですが、現在のところ「電子望遠鏡」にかけるモチベーションが落ちてきているのは事実。

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木曜の夜は、秩父は美の山公園に「ASI1600MC」のファーストライトをしに行きました。

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クリスマスツリー星雲を撮ってきました。

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30分くらい撮ったところで構図が気に入らなく、撮り直し、1時間半、撮ったところでピントが甘いので撮り直し、そんなことを繰り返したため、4時間滞在したのに、約1時間分の撮影データしか得られませんでした。

家に帰って、コンポジットしてみて、おかしいことに気づく。

1801127GINJI-150FN改造+SkyWatcher F4コマコレ + ASI1600MC + SS-one CMOS Cap.
1分×80枚(4枚ごとにライブコンポジット、リアルタイムダーク減算) ゲイン10/25
SS-oneトラベラー + SS-one AutoGuider Pro

色が出てない。調べると、CMOS Capのベイヤー配列の情報取得ミスのバグと判明。

このバグですが、遭遇する確率は低いです。条件としては最新ドライババージョンで、ASI1600MCと他のソニーセンサーのカラーカメラを交互に使っている場合におきます。もちろん直します。

ということで作品にはならなかったのですが、バグがなくても、作品には仕上げられなかったと思います。この対象、けっこう淡いことを知った。秩父のような光害地ではなく、暗い空で、3時間以上かけないと奇麗にでそうもないです。

今夜も秩父に行こうと思います。クリスマスツリーは無理そうなので、クラゲでも撮ってこうようと思います。

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2018年1月 9日 (火)

電子望遠鏡--1/3インチはやっぱつらい

帰ってきました。

秩父の予定でしたが、月昇るの早いし、目的が2つだと中途半端になるので、近場の羽生に電子望遠鏡のテストだけしてきました。

結果
自動レベル調整付きライブスタッキングはうまく機能しませんでした。プログラムの見直しです。

あと、やっぱ星雲とか奇麗でないです。考えてみれば当たり前で、
80mmのレンズで撮った星野写真の星雲の部分だけ切り取って拡大しても奇麗なわけはなく、しかも安物のレンズです。

やっぱ、フォーサーズくらいないと奇麗に出ないと思います。う~ん。

結論
電子望遠鏡--やっぱお金がかかる。

疲れたのでもう寝ます。。。

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今年初遠征

今夜は晴れそうです。初遠征に行ってきます。秩父なので遠征というほどでもないのですが、

最初の目的は、ASI224MCによる電視観望。ソフトの方はだいぶ完成しています。80-200mmF2.8ズームレンズとの相性や、スタッキングの効果などを確認してきたいと思います。

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スモールサイズセンサーの場合は、このようなズームレンズとの組み合わせがいいかも。

あと、銀次の撮影をしてきます。斜鏡ヒーターを付けたので結露は安心と思っていたところ、コマコレクターのレンズがここまでせり出してきてます。これはやばい。まぁ、今日の秩父はあまり露は出ないところなので大丈夫と思いますが、これもなんとかしないと。

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2018年1月 8日 (月)

電子望遠鏡に適したCMOSカメラ

電子望遠鏡に最適なCMOSカメラは何か、けっこう悩んでます。いちおうカラーカメラならどれでも使用できるようにはしたいのですが、目的に応じて、最適なカメラはあるはず。

とりあえず、フォーサーズから1/3インチまで一覧を作ってみました。(ビニングは640×480まで解像度を落とす前提でのソフトビニングのことです。)

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写り具合、感度で言うなら、センサー固有の感度が高いものより、高画素のセンサーをビニングするのが圧倒的です。たとえば8×8なら感度64倍です。たった1秒の露出で64秒露出したのと同等になります。

そういった意味ではフォーサーズを選びたいですが、欠点があって、高価なこと。それから、ラズパイだとさすがに動作が重いです。カメラの向きを変えて、1~2秒後に画像が動く感じです。自動導入で、ビシビシ導入するならいいのですが、対象を探し回るなら、ちょっとストレスを感じると思います。

フォーサーズは、既に持っている人が使うなら良いのですが、電子望遠鏡のために新規に買うのはやはり価格が高い。

星見屋さんや、HUQさんが、ASI385MCは感度が高いので勧めてくれましたが、385ならASI224MCだと思います。385は1/2インチですが、横に長いんですよね。短辺は224と変わりません。感度もソニーのSNR1sで測るなら両者とも同じです。価格も安いので、ASI224MCの方が良いと思います。

ただ、1/3インチというのは、センサーサイズが小さすぎて、導入が大変です。

たとえば焦点距離500mmくらいの望遠鏡に1/3インチだとスバルも入らないんですよ。スバル全体を入れるなら200mmくらいです。

そう考えると、望遠鏡というよりカメラレンズですね。ズームレンズがいいと思います。実はもうズームレンズ買ってあるのです。トキナーの80-200mmF2.8です。訳あり品を6,000円くらいで購入しました。

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広角端で導入して、ズームアップする。F2.8と明るいので写りも有利です。

欠点は、望遠鏡らしくないこと。はたして観望会で人気が出るかどうか。個人的に星空散歩を楽しむなら、ズームレンズはいいかも知れません。

ということで、それぞれ一長一短あるので、これというのはないのですが、中間をとるというか、バランスが良いのは、1/2インチで4×4ビニングまで出来るASI178MCではないかと思います。

●ライブスタッキングがカギ。

電子望遠鏡の成否のカギはライブスタッキングだと思います。
最初は加算で行っていたのですが、画像の荒れがひどく、直に飽和してしまいます。
その後、加算平均にしたのですが、写り具合は良くありません。

そこで一番いいと思うのは、自動レベル調整付きの加算スタックではないかと思っています。自動レベル調整付きなので、最初のうちは加算の効果が大きく、必要なレベルに達すると加算平均の効果が大きくなり、ノイズがどんどん減っていきます。もちろん飽和もしません。

短い時間のスタッキングによる天体写真の場合は、セルフオートガイドができる利点もあります。セルフオートガイド、つまり、オートガイド用に別に光学系やカメラが必要ありません。ただ残念なのは、SS-one AutoGuider Proはオートガイド信号の外部入力端子がないのでこの恩恵にあずかれません。今から考えると失敗でした。ST4ガイド入力があるならセルフオートガイドできます。

ライブスタッキングによる天体撮影は、でき具合を確認しながら写真を撮れるので、家に帰ってから失敗した~とかなく、ライトに天体写真を楽しみたい人には有効な方法になるかも知れません。

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2017年12月10日 (日)

【電子望遠鏡を作る】まだまだ課題が多い。

昨晩は、羽生で電子望遠鏡のテストをしていました。

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今回改良したのは
1 ライブスタッキングをやめ、8×8ビニングを導入、これで感度64倍
2 ライブトーンカーブの導入

以上2点です。ライブスタッキングは見ているというより写真を撮ってる感が強い。そこでライブスタッキングではなく8×8ビニングで感度を上げてみました。

ライブトーンカーブですが、背景がすぐ明るくなってしまいコントラストが低下するのを避けるため、星雲はそのままに背景レベルだけ下げるために導入しました。

結果
ビニングは大成功で良く写ります。
ライブトーンカーブもうまくいきました。
この画像はトーンカーブなしです。

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ご覧のように背景がすぐ明るくなってしまいます。観望会とかけっこう街中でやることも多いと思います。そうすると背景レベルの抑制は必須です。

そこでトーンカーブを導入

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星雲の明るさはそのままに背景レベルだけ下げることができました。これライブですよ。

課題と対策
1 やっぱカラーじゃないとつまらない
->カラーCMOS買います。

2 ノイズ感がやっぱ、テンション低くなる
->ライブスタッキングを加算コンポではなく加算平均コンポでやってみようと思う。

3 画像が粗い
->5インチにすると大きすぎると思う、やはり覗くというスタイルをとる以上、3.5インチが限界。今、3.5インチで480×320という解像度の液晶を使っているが、同じ3.5インチで800×480というのがあるのでこれを使ってみたい。

まずは、カラーCMOSの購入ですが、カラーCMOSをどれにするか悩んでいます。

候補1
ASI1600MC  フォーサーズ 4656×3520  92,100円

候補2
ASI178MC  1/1.8インチ 3096×2080 48,600円

ASI178MCだと画角が狭く、自動導入なしでは、電子ファインダーの力を借りても導入は難しいと思います。やはりフォーサーズくらいの画角で導入して、導入したらクロップしてズームアップするのが理想です。
しかし、ASI1600MCは高い。ある程度普及させるには価格もそれなり重要。トータールで10万以下にしたいところ。

そう考えると、自動導入前提で、ASI178MCか。とても悩むところ。




 

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