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はじめに

2018年2月 4日 (日)

天文シミュレーションソフトを導入しよう

昔は天体観測というと「星座早見盤」というのがあって、日時を合わせると、見える星座などがわかる表示版があったのですが、現在はパソコンなどで使う「天文シミュレーションソフト」が非常に便利です。

観望や撮影の事前計画になくてはならないソフトウェアです。天体観測を始めるなら是非ほしい一本です。

天文シミュレーションソフトは複数ありますが、お薦めはアストロアーツ社の「ステラナビゲーター」です。

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ステラナビゲーター

購入したら、最低限の設定をしましょう。まずは起動時の画面です。

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現在時刻の空を表示しますので、昼間に起動すると、ご覧のように昼間の空が表示されます。夜起動すると、夜空が表示されます。なお、月が出てると月明かりで少し明るめに表示されるのも現実感が高いです。

さて、最初に起動したら、メニューの[設定]->[環境設定]を開きましょう。

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ここで、「前回終了時の設定で起動」をチェックしておきます。

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これをしないと、起動の度に初期設定をしないといけません。

次に、表示を「星座早見」にしておきます。左のメニューの「表示形式」から「星座早見」を選択します。

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この表示だと、全天が表示されますので今見えてる星座が一目瞭然です。

昼間の空ではつまらないので、時刻を進めてみましょう。上の時刻が表示された部分の時間の1の位の数字を左クリックすると、時間が進みます。

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10の位の数字なら10時間単位で進みます。分や、日付についても同様です。なお、右クリックすると、時間が逆に戻ります。

さて、星座を分かりやすくするために星座線を表示させてみます。上の星座枠の中の「星座線」をクリックします。

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同様に「星座名」や「星座絵」を表示させることもできます。

最後の天体観測で良く使う、「赤経・赤緯線(せきけい・せきいせん)」を表示させてみましょう。上の経緯線の枠の「赤経・赤緯」をクリックします。

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なぜ、赤経・赤緯線が重要かというと、
1 星は東西方向に伸びた「赤経線」に沿って動きます。北の方だとくるくる回るのがわかると思います。
2 赤道儀と言われる望遠鏡の架台は、この赤経・赤緯線に沿って動く
3 天体写真の縦横の構図は、この赤経・赤緯線の向きに合わせる

という理由からです。具体的にはまたいずれ説明いたします。

ステラナビゲーターは、単に現在見えてる天体を教えてくれるだけでなく、天体の運動を勉強したり、学習目的にも優れています。より詳細な使い方は以下の動画をご覧ください。

2018年2月 3日 (土)

天体観測ってお金がかかる?

この質問は実に心配なところだと思います。

天体観測の楽しみ方はいっぱいありお金をかけない方法はいくらでもあります。

しかし、「お金がかかる」のではなく、「ついついお金をかけてしまう」が正解でしょう。

だいたい天体写真などにハマると100万くらいは安い方です。それこそ高級車が買えるほど、かけている人も居ます。

これはもうその人の価値観次第です。ただ、ある程度抑制的でないといくらでもお金をかけてしまいます。

特に梅雨時など、なかなか観測に出られなくなると、「物欲(ぶつよく)」というウイルスが流行り、ネットを通じ感染が広がりやすくなります。

またこのようなマニアックな趣味の世界ではスペック主義に走りやすいです。単なる数値だけに惑わされず、本当に必要な性能かどうか見極める必要があります。スペック主義はかつての「デジカメ」の「高画素競争」と同じで、メーカーや販売店が大々的に宣伝し、それにユーザが反応すると陥りやすいです。

もうひとつ陥りやすいのが、「ベテランが使っているから同じものを買おう」という考え方です。もちろんお金があればそれでもいいのですが、あっという間に何百万と行ってしまいます。
この2つは注意しないといけませんが、とは言っても、初心者がその見極めをするのは困難です。そのための案内が、まさにこのブログなのです。

さて、このブログの勧めに従って、機材など買っていくと、だいたい30万くらいの出費は覚悟です。もちろん一度にではないです。少しずつですが。

もちろん、なるべく安い機材を紹介するようにします。ただほんとに必要なものは高くても勧めるようにします。

たとえば、望遠鏡は、逆さまに見えるのですが、これを「倒立像(とうりつぞう)」と言います。しかし、「正立プリズム(せいりつぷりずむ)」を使えばちゃんとした像「正立像(せいりつぞう)」に見えます。

ただ、、望遠鏡に正立プリズムを付属させると、望遠鏡の値段が高くなるので、メーカーも販売店も、そしてユーザも遠慮しがちです。ところが、倒立像と正立像では全然観望時のストレスが違います。たった数千円のことでこの違いは大きいので、たとえ、値段が違ってもお勧めします。

まず、何から始めるか?--ただ星を観る

天体観測というと、まっさきに天体望遠鏡を思い浮かべるかも知れません。しかし、まず最初は暗い田舎で満点の星を見て頂きたいです。

夏の天の川
冬のきらめく星座

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降るような星と良く言いますが、まさにその通りです、星ってこんないっぱいあったんだと感動するはずです。機材は一切要りません。あなたのその目だけで良いのです。

ただ、このような素晴らしい星空に出会うには、今は難しくなってきました。旅行のついでに巡り合えるのは幸運と言っていいです。星見というはっきりした目的がないとなかなか出合えません。

それではどういった条件が必要でしょうか。

1 大都市から離れた田舎。
 首都圏なら、北関東の北部、山梨や長野。伊豆の南端など。それぞれの町からなるべく離れた場所です。具体的にはまた別の機会に紹介します。
 山など標高の高い場所も奇麗ですが、標高が高くても大都市に近いとやはり奇麗な星空は臨めません。

 都市の光などで、星が奇麗に見えないことを「光害(こうがい)」と呼びます。
「光害マップ」で検索してみてください。これを見ると、だいたいどこに行けばよいかわかります。

2 快晴
 ほぼ快晴でないと、奇麗な星空は臨めません。雲が多いと、星が直接見えないほか、地上の光が雲に反射して夜空が全体的に明るくなります。

 我々、天文屋は、天気に関する情報は「GPV気象予報」という天気予報サイトを頼りにしています。

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GPV気象予報

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「詳細」をいチェックし、「エリア」を選択し、「雨量・雲量」をクリックします。
これを見て、雲のない、真っ黒なところへ行く必要があります。

3 月の出ていない夜
 月があると、月の明かりで星空が奇麗に見えません。これは非常に重要です。快晴で月が出ていない夜という条件だけで、もうそれほど多くありません。

 さて、月の有無はどうやって調べればよいでしょうか。

「アストロアーツ」という天文屋ご用達のサイトがります。

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ここで上の「月齢」というアイコンをクリックします。

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調べたい日をクリックします。

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ここで、各地の月の出と月の没(入り)を調べることができます。ここで月の有無を調べます。

さて、この表には、「薄明(はくめい)」の開始と終了も分かります。薄明というのは、夜が終わりほんの少し明るくなる状態です。薄明開始時は人間の目では分からないほどの明るさですが、天体写真の場合は影響が出ます。ですから、天体観測は薄明の終わりから、翌日の薄明の開始までの間に行います。

4 時期はいつが良いか?
せっかく、初めて星を見に行くのだから、時期も選びたいところです。お薦めは夏の天の川です。夏の天の川と言えば、七夕付近ですが、時間を選べば、4月~12月まで見られます。最盛期は5月~10月くらいです。5月はまだ朝方です。7月はまだ梅雨の影響が残るので8月がやはり好機です。

夏の天の川は暗い場所で見ればすぐわかります。最初は雲に見えるでしょう。ですから、雲のない快晴でないと雲と区別できません。

非常に暗い空で空気も乾燥していると、天の川は雲というより何かザラザラした粒状感があります。こうなるともう最高です。

寒さを我慢すれば、冬の天の川もお薦めです。夏ほどはっきりしてませんが、奇麗なことは奇麗です。冬の南の空はオリオン座が目立ちますが、その右肩付近を天の川が流れています。

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さて、このように意外と条件が厳しい星見ですが、ぜひ、「何かのついでに星見」ではなく、「星見のついでに何か(温泉とか)」という気持ちで臨んでほしいです。

またそれぐらいの気構えがないと、この趣味は長続きしません。

もちろん、庭先でも十分、天体観測はできますし、そうしている人もいっぱいいます。しかし、せっかく天文趣味を始めるなら一度くらいは素晴らしい星空を体験してほしいものです。

天体観測の楽しみ方

広く天体というもの楽しむと言っても、いろんな分野、スタイルがあります。
思いつくくまま書きだしただけでもこれだけあります。

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何にハマるかはあなた次第です。

この中からいくつかピックアップして見ましょう。

まず、お金のかからない肉眼では、ただ観るだけ。あるいは流星観測などあります。最近は天気予報などで流星群のニュースを良く聞きます。ただ、流星群がなくても、流星は見られます。通常でも1時間くらい星空を眺めてるとけっこう流れます。特に朝方が良いです。

そのほか、月食や、日食など天文現象も肉眼で楽しめます。

肉眼で飽き足らなくなったら、双眼鏡や、望遠鏡の出番です。望遠鏡で天体の眼視といっても様々です。

望遠鏡を買って初めてみる天体は月ではないでしょうか。(望遠鏡で太陽を見てはいけません、目が焼けます。特殊な望遠鏡が必要です。) それと土星などの惑星ですね、ではその次に何を見ますか。

望遠鏡は大きいほどいいと思っている人もいるかも知れませんが、小さい方が有利な天体もあります。

「散開星団(さんかいせいだん)」と言われるまばらな星の集まりは、小型の望遠鏡で低倍率でみると実に奇麗です。代表的なものに「プレアデス星団(すばる)」や「二重星団」があります。

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このような散開星団は天の川のそって点在しており、小型の望遠鏡で流し見しると実に楽しいです。

それとは対極に、大砲のような「ドブソニアン」と呼ばれる大きな望遠鏡で、銀河系外の「系外銀河(けいがいぎんが)」と呼ばれる遠くの遠くの光を見る楽しみもあります。ほんとに宇宙の神秘を感じます。

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ちなみに、望遠鏡を使っても、上の写真のように系外銀河ははっきり見えません。一般に天体望遠鏡の眼視は、月や惑星以外は、写真のように見えません。写真のように見えることを期待していると、たいていがっかりします。

それでも、眼視に良さがあり、それにはまり熱中している人もいます。

さて、天体観測でもっとも花形の言えるのが、「天体写真」です。最近は眼視観望をしないでいきなり天体写真から入る人もいます。また眼視観望から入っても、「天体写真」専門になってしまって、眼視観望に戻らない人もいます。眼視では、写真のように奇麗に見えず、あまり面白くないのかも知れません。

天体写真と言ってもいろいろです。望遠鏡を必要とせず、通常の風景撮影と同じカメラやレンズを使って撮る「星野写真(せいやしゃしん)」というものや、地上の風景と星空を一緒に撮る「星景写真(せいけいしゃしん)」などが比較的簡単に始めらます。

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また、眼視と同じく、月の撮影は比較的簡単に始められますが、実は奥が深くディープな世界です。これにハマっている人たくさんいます。また自宅でもできるのが魅力です。

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そして、天体写真の花形と言えば、「星雲写真」です。星雲とは、銀河系内にあるガスの集まりで、星の明かりを受けて奇麗に輝きます。月の大きさの何倍もある大きな星雲が多いので倍率は不要です。しかし、望遠鏡でははっきり見えません。また赤い星雲は赤外線で肉眼ではほとんど見えません。ところが、写真に撮ると、奇麗に写ります。

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どうですか、こんなのが撮れると思うと病みつきになります。これは「バラ星雲」といいます。

星雲の天体写真は一つの対象を撮るのに、数分から数時間かかるのが普通です。また撮った後の画像処理なども手間のかかるものです。

さて、天体観測の楽しみは、天体を観たり撮影したりするだけではありません。

機材を集めたり、自作したり、改造したり、あるいは観望会や星まつりに参加するとや、このブログのようにネットで交流するのも楽しみです。

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このように天体観測の楽しみは、幅が広く、それぞれ奥が深いです。ぜひ、自分なりの楽しみ方をつかんで頂きたいと思います。

このブログの紹介

このブログはこれから天体観測を始めてみたいという方をナビゲートするためのブログです。ブログですから、日々コンテンツが増えて行きます。

読者は、ほんとに何も知らない初心者を対象としています。
ただし、天体観測をちょっと経験してみたいとか、そうゆうことではなく、本当に趣味としたいと思っている人向けです。なぜなら、ある程度の出費が伴うからです。

また、もうひとつの目的として、著者が開発した初心者向け望遠鏡コントローラの取扱説明書も兼ねています。昔は、取説というと紙の冊子でしたが、現代はこのような形態が良いのではないかという一種の試みでもあります。

天体観測入門のサイトは世の中にはたくさんあります。しかし、本サイトは情報量や実用性で断トツの一番になることを確約します。確約できる理由は以下にあります。
●営利目的であること(自社のコントローラの販促のため)
膨大な情報量を持ったサイトの構築は大変です。時間もかかります。機材レポートのため自分は使わない機材も買わなくてはいけません。単なる個人の趣味では出来ません。
●大手のメーカーや販売店でないこと
営利目的と言う意味ではメーカーや販売店も同じです。ただ、それらは、こういったネット活動は消極的です。理由は簡単です。そんな事しなくても稼ぐシステムが確立しているからです。私にはそのような打ち出の小づちはありません。この活動が全てです。必死です。

このブログのモットー
●説明は前提知識を想定しない。基本的な事は必ずこのブログ内で説明。
●なるべく安い機材を使う。
●実際にその機材を使い天体観測を行う。
●実際に買って使っている機材以外、推奨しない。
●場合により動画を使用。
●天体写真は初心者向けと言って妥協しない。高品位の写真を目指す。
●コメント欄からの質問大歓迎。どんな質問にも丁寧に答える。

ナビゲータの紹介
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ほんまか(本名 中澤浩一)

プロフィール
自称天体写真家。
本職 マイコン技術者だった
子供のころから天体観測に熱中。
「月刊天文ガイド」のフォトコンテスト最優秀賞受賞3回。
現在、SS-oneブランドの天文機材の開発販売中。
世界初の電子極軸望遠鏡を開発、他、ユニークな商品を開発中。

それでは、私と一緒に天体観測を始めましょう。



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